FCビジネスの真実(1)

今年、うちの旦那は失業中で、その間新しい就職先を探ったり、それではなかなかうまくいかないから自立の道を探ったり、いろいろなことをしていた。そうこうするうちに、旦那が注目したのがFCビジネスだ。ホームクリーニング(ていうの?)に関するビジネスで、無店舗でできる。必要なのはホームクリーニングに出かけるときに乗っていく車と、お掃除に必要な各種機械や洗剤などだ。なによりも無店舗で始められ、初期費用が他のFCに比べて格段にかからないところが魅力だ。しかも営業時間は自分で決めることができるため、コンビニエンスストアみたいに、バイト代を節約して夫婦ともども働きづめみたいなことにはならないらしい。


9月、そのことを考えた旦那は説明会を申し込んだ。非常に興味があった&できれば旦那にもう会社員としての就職はしてほしくない、自営業で独立してほしい、と思っていた私も説明会に一緒についていった。


説明会は良い感じであった。だいたい夫婦単位で来る人が多いらしく、その会社の入口には「○○様、いらっしゃいませ」のような表示が出ている。旅館みたいだ。
そして説明会とは名ばかりで、実質は個人単位の面接のような感じ。多くのFC希望者が集まるのかと思ったら、説明は営業マン対夫婦一組、みたいな感じで、一対一で話しを聞き、自由に質問ができるような感じだ。


説明会は正味3時間程度。説明してくれる営業の人と対面で3時間だから、けっこう緊張もするし疲れもする。本当は、せっかく久々に東京に来たのだから帰りにあのお店も見て、このお店も見て、とか思っていたのだけど、終わった頃にはそんな元気はすっかりなくなっていた。3時間の集中は、本当に厳しいことなのだ。


FCビジネスは、夢のようなビジネスだ。営業戦略は全て本部が提供してくれるから、こっちはまじめに営業していれば良い。本部のノウハウどうりにやるべきことをやっていれば、年収は1000万。2年目には2000万でも3000万でも、それは努力次第だ。頭使わなくても、体使えば年収3000万の高額所得者も夢ではない。年収3000万と言えば、定額給付金の給付対象から外れるほどの大金持ちではないか。


もう旦那も、お掃除ビジネスを始めたつもりになって、しかもそのお掃除ビジネス本部の営業の女性に対して「自分の、昔の部下にそっくりなんですよね」とか、親父全開。
しかし、旦那の儚い夢は、横にいた意地悪い消費生活アドバイザーの私によって、30分後に破壊されたのであった。


私だって最初は一生懸命説明聞いてたの。旦那はお掃除が大好き(っても、家の掃除は気が向いたときに徹底してやる系で、いつもは何もやりゃあしない。私から見れば、家事のつらいところは毎日コンスタントに、体調・気分・忙しさにかかわらずやらなきゃいけないことであって、それがいつのまにか女性の仕事になっていて云々、と言いたくなるところなのだけど)だから、好きなことで独立できれば良いよなあって。


だけど3時間にわたる業者の説明は失敗した。最後の最後、かなりやる気になっていた旦那(&私)に対して業者は、「お申し込みは来週の火曜日(説明会に行ったのは3連休前の金曜日。つまり検討期間は3日。しかも土日と祝日)が締め切りです」と、契約を急かしたからだ。


怪しい。
そして、事業を始めるにあたっての申込書が提示された。もちろんお金はないのでクレジット契約を結ぶ。その契約書には「ショッピングクレジット」と書いてあった。
事業を始めるためのクレジットのはずなのに、ショッピング?というところが私的にはものすごく引っかかったのだ。買い物をする目的でここに来たつもりはまったくない。


おかしいじゃん。おかしいじゃん。おかしいじゃん。
というわけで、旦那の夢を挫いて悪いけれども、私が強力に却下。妻の賛同のないビジネスなんてできるわけもなく、わりに素直に旦那も了承。この話はなかったことになった。


その後FCビジネスに対する不信を感じて「コンビニ不都合な真実」「セブンイレブンの正体」をとり急ぎamazonで注文して読んでみたけれども、これってグレーゾーンな感じがするね。
完全に悪徳とは言い切れない。だけども、FCチェーンの収益の多くを、店舗のオーナーが負担してるのではないかと思うな。
たとえばコンビニに当たり前のおでん。何時間たったら廃棄、というルールがあって、売れなかった(廃棄物の)おでんの代金はすべてコンビニオーナーが負担し、その分もコンビニ本部の収益になるという。ということは、本部からすれば、おでんが売れるか売れないかはどうでもよいわけで、売れなかったとしてもオーナーが自腹を切ることで、本部には収益があがる。


同じように私たちが説明を聞きにいったお掃除の会社も、結局その会社指定の掃除用の洗剤などをオーナーに売り続けることで収益を上げているのだと思う。この件についてはもう少し掘り下げていきたいので、今後もエントリーを上げると思うけど、FCビジネスって実はBtoBではなく、失業者などを狙った消費者問題なんではないかと思う。

 

2010/12/02