FCビジネスの真実(2)

FCビジネスの説明会を聞きに行き、関連本を読んだあと、コンビニを見るたびにつらい気持ちになるようになった。お弁当屋さんなんかもたぶんそうだよな。


コンビニオーナーの悲惨な状況は前回も書いた「コンビニ不都合な真実」などの本に詳しいけど、オーナーを悩ませる商品の一つがおでんなんだそうだ。2時間おきだかそのくらいの細かい間隔で具材を入れ替えなければならず、売れなかった分は全部店側の負担。本部には売れた分の何割かを上納するしくみらしい。しかもおでんの維持には人手が必要だから、人件費も余計かかってしまう。こんな話を聞くと、コンビニでおでんを買うのが良い消費者なのか、買わないのが良い消費者なのかわからなくなってしまう。


また、季節のイベントも、すごいノルマがあって大変らしい。今の時期ならボジョレヌーボー、次はクリスマスケーキ、その次は恵方巻きかな。ああいう季節ものは本部が力を入れるため、店側(下手をすると本部のエリアマネージャーの人も?)はかなり自腹で負担する結果となるらしい。


私自身はボジョレヌーボーもクリスマスケーキも恵方巻きも興味ないから買おうとは最初から思わないのだけど土用の鰻にはちょっと興味ある。だけど興味あるものを買うときってやっぱり専門店を探さない?うちではお気に入りの鰻屋さんがあるから、土用の鰻も土用でないときの鰻ももちろんそのお店で買う。最初からコンビニの鰻を予約しようという選択肢はあり得ない。


ボジョレヌーボーだってクリスマスケーキだって恵方巻きだってそうだと思うんだ。興味のない人にとっては、まるっきり検討の対象にもならないし、逆に興味のある人は、ブランドへのこだわりがあったりおいしい店を探したりするものだと思う。コンビニにはコンビニの強みというものがあるわけであり、どの販促企画が成功でどの企画は不要だったかなんて、現場で苦労したお店の人が一番わかるはずだ。


ところがFCチェーンの場合、もちろん会社によって本部の制約の強弱に違いはあるのだろうけど、基本的には販促イベントや販促ツールは本部が考える。売れ残ったお弁当を値引きするかどうかだってあんな裁判になったわけだから、店のオーナーには価格を決める自由すらないわけだ。それに商品の仕入れ先だってオーナーが自分で選ぶことはできない。本によると、コンビニの仕入れ価格ってかなり高いらしいね。


つまりFC店のオーナーなんて、保障のない営業職のようなもの。最近は営業職を正社員から契約社員や派遣に移行している会社も多いけど、FCオーナーはそれらより更に効率の良い営業マンだ。一応独立した自営業者なわけだから労働基準法的な制約もないわけだし、FC契約って事業者として契約するわけだから消費者保護の対象にもならない。リスクは全て店側、もうかった分は本部に規定の上納金を納めて、残りが儲けとなるわけだから、本部にとってこんなにおいしい仕組みはないよね。世の中にFCチェーンが増えていくはずだ。


先日説明会に行ったお掃除ビジネスの会社も、仕事用の車は自分で購入(リース会社との契約もその場で提示されたけど)、で、その会社の作っているブランド名のステッカーをなんと10万円前後も払って購入するしくみだった。な、なんであんなせこいステッカーが10万もするのよ。


それがブランド料だ、と言われればそうなのかもしれないけど、もし私が本部の人だったら売り上げが落ちてきたら次々とそういうパンフレットやなにやらの販促物を制作してオーナーに買わせることを考えるね。定期的に研修制度(有料)を設けることだって考えられるし本部主催の資格制度なんか導入して、そのたびにお金をとることだってあり得るわけだ。


このFC契約というしくみ。消費者問題であり、労働問題であるとして、もう少し規制されないとやばいんじゃないかなあと思う。

 

2010/12/02