つまみ代を節約した話
高級っぽいスーパーで買い物をするのが好きだ。
高級スーパーとは、明治屋とか紀伊国屋みたいなスーパーのことだ。
以前住んでいた茗荷谷には、三徳というスーパーがあって、これは明治屋や紀伊国屋ほどの高級感には欠けるものの、大丸ピーコックよりかはやや高級、というレベルのスーパーだった。
月に一度くらい、その三徳で買い物をしていたのだけど、通常の買い物の倍とか三倍とかの料金が必ずかかる。
つまみに最適な、「ねろりんとしたもの」が多くおかれているためだ。
「ねろりんとしたもの」とは、おもにプリン体のことで、今のシーズンだったら白子ポン酢とかのことだ。あん肝も外せないし、レバーとかレバーペーストも好き。かにみそやえびみそも死ぬほど好き。内臓系が好きってことらしい。
もちろん卵系も好きで、普通の卵なら断然燻製にした「くん玉」が好き。他の卵なら、イクラとかウニ、たらこ、明太子、数の子。あと子持ちシシャモとか、ピータンとかそういうのも好きだ。
もし
「好きな食べ物を一つだけ挙げろ」
と言われたらどうしようかと思う。
とても一つには絞れないから「プリン体」と答えるのが一番当を得ていると思う。
現に、うちでもこういったものを食べるときには
「プリン体っておいしいねえ」
とか言いながら食べてる。
そう言えば、ビールだってプリン体が問題になっていて、通風の人とかはそのためにビールが飲めない。
でも最近プリン体の入ってない発泡酒が出てきてて、メーカーには問い合わせが殺到しているらしい。
高級っぽいスーパーでは、他には調味料売場や、生ハム売場、チーズ売場が外せない。
調味料については、けっこうお得な買い物だと思っている。
うちでは塩にこだわっていて、アフリカの塩とかそういうザラメみたいのを買ってきて、ミルで挽いて使う。
そうすると、普通にジャガイモをゆでただけの料理でも、なんとなく格上になる。
料理が下手で、凝った料理が作れない向きには、必須の調味料であると言える。しかも、塩はたいして高くない。
生ハムは、作れないから仕方ない。
珠玉のつまみとして購入する。
いちじくをのせて、ブランデーをかけて巻くと、最高のつまみになる。
チーズも必須だ。
ビールにもワインにも合う。
外国産の高級チーズを食べるときの言い訳は、
「フランスではデザートとして、いつもチーズが常備されてるらしい」
っていうものだ。
何かで読んだんだけど、普通の常備菜としてチーズが活用されていて、けしてメインではなく前菜でもなく、デザートとしての扱いなんだそうだ。
あと、フランスに関して言えば、
「水がわりにワインを飲む」
っていうのも気に入っている。
「なんだ、水かあ。じゃあいくらでも飲んでいいよね」
って、なんか罪が軽くなったような気がするからだ。
問題は、チーズもワインも日本ではけして安くないという点だ。
宝くじとかがあたったら、こういうのは気にせずに購入できるようになるけども、現状はまだ宝くじが当たってないので、そういうわけにもいかない。
だけどこの悩みはひょんなことから半分程度解決することになった。
昨年だったかな。
おもしろがって、「燻製セット」を買ったのだ。
動機は節約ではない。
生活を豊かにすることについては、うちの旦那はわりと出資するので、私としては「プレゼン」に成功すればいいだけだ。
この燻製器は、サーモスという会社の「イ-ジースモーカー」という機種で、東急ハンズで1万円くらいだった。
これのいいところは、台所で気軽に使えて、けむりもくもくにならないところだ。
燻製するものにもよるけど、洗うのもものすごく簡単だ。
レシピブックがついていて、初心者でもいろいろなものが作れる。
たとえばチーズの燻製なら20分。
ソーセージなら30分くらいで出来上がる。
ソミュール液を作るとかそういう面倒くさいのは最近省いてるけど、省いても味はたいして変わらない。っていうか、ソミュール液を使うと塩っ辛くなるので、私は使わない方が好きだ。
この燻製器が来て以来、週2,3回はこの機械を活用。
とくにお気に入りはチーズで、雪印の6Pチーズとかを買ってきて燻製にする。
これは、市販の高級スモークチーズなんかより、ずっとおいしく出来上がる。
なにしろ出来立てほやほやの燻製に勝るものはない。
カマンベールチーズなんかを燻製すると、トロトロのカマンベールフォンデュになる。
最近では、ソーセージの燻製が気に入ってて、伊藤ハムだとか日本ハムだとかの2P389円とかの粗びきソーセージを常備して、つまみが欲しくなったらこれを燻製する。
今、これを書いてる今日は、豚ばら肉からベーコンを作ろうとしている。
燻製器の効用は、
「時間を計って待つだけ」
なところだ。
料理が上手いか下手かは関係ない。
そして、ながら料理ばかりする私のような者でも、タイマーさえちゃんとかけておけば、焦がすこともないし、安心して「ながら」の方に取り掛かれる。
手軽だから登場回数も多く、この機械(機械っていっても、ほとんど鍋)を買うだけでも「節約」だと言いたい感じだけど、特筆すべきは、あんなに買っていた輸入もの高級チーズをぱたりと買わなくなったことだ。
生ハムは買ってるけど、高級ソーセージも買わなくなった。
ゆで卵を燻製すると、「くん玉」が出来上がる。「くん玉」は通常2個150円くらいで売ってるけど、10個200円くらいの卵をくん玉にすれば、買えば750円だから、550円の付加価値がつく。
くん玉を作る場合には、ゆで卵を煮卵にして、それを燻製すればいい。燻製の中では手間がかかる方だけど、できばえの満足感は高い。
鳥の手羽先の燻製とかもとてもいけるから、安い手羽先を重宝するようにもなった。
つまり、長い目で見れば、こんな簡単でおいしいつまみの作れる機械は、高級食材の購入率を下げ、料理にかかる手間も省いてくれるという点で、大変な節約に通じるのだ。
燻製器そのものから全部手作りで燻製をする人も多いけど、その過程を楽しみたいって人以外は、やはり手軽な燻製器は便利だ。
アウトドアでしかできないなら冬はキツイし、近所迷惑になる可能性だってある。
「実」をとるなら燻製器の購入は、初期投資こそかかるものの、結果的に大変な節約に通じるものだと思う。
売場では、この機械以外にも、もっと安いものもあった。
酒飲みの節約には、どうぞ燻製を取り入れてみてください。
酒が進んで余計に飲んじゃうっていう話もあるが。
(H19.12.20)
★この方法の効果
・スモークチーズやスモークハムなどの高級食材を購入することなく、味わえるようになる
・ちょっと楽しくて、ワクワクしながら節約ができる
・調理も簡単で、ほっとけばいいので、手間もかからない