繊維と静電気

■いまさら静電気の説明もどうかと思いますが、一応常識の範囲内でおさらいしておきましょう。
 
・なぜ静電気と呼ぶのでしょうか?・・・それは電気が一定の場所でじーっと静かにしているからです。
地球に存在する物質は全て原子という大変小さな粒でできています。その原子は電気を帯びていて、通常はプラスの電気(陽子)とマイナスの電気(電子)が仲良くくっついた状態で安定しています。
ところが電子(マイナス)は物質と物質がちょっとぶつかったり、擦れたりするだけで陽子(プラス)から剥がれ落ちてしまいます。こらが静電気の発生です。

剥がれ落ちた電子は帰り道を失い、その場にじーっとしています。次から次と剥がれ落ち、どんどん溜まるとこれが静電気になるのです。動きの取れない静電気はとりあえずその場で静かにしていますが、実は鵜の目鷹の目で逃げ道を探しています。逃げ道が見つかろうものなら静電気は一挙にそこへ殺到するわけです。
人間の体にたまった静電気が自動車の取っ手やドアのノブなどの逃げ道へ殺到する(放電)と、例のいやな静電気ショックが発生するのです。

■ここからが本題です。

・人が動くと皮膚や衣類などが擦れて、どうしても静電気が発生してしまいます。これは避けられません。
ただ繊維によって電気をためる性質(帯電性)に差があります。

 

プラスに帯電
(+)

























(-)
マイナスに帯電

毛皮

羊毛
レーヨン


木綿


人の皮膚
ガラス繊維
帯電しやすい













帯電しにくい












帯電しやすい
アスベスト








木材



アルミニウム



ニッケル

ゴム
アセテート







ポリエステル
アクリル
ポリウレタン

塩化ビニール


この順番を帯電列といいますが、位置の離れているものどうしが擦れるとより多くの静電気が発生します。
また電気を通しづらい化学繊維どうしでも静電気はたまりやすくなります。

導電性の良い金属が近ずくと静電気は一挙に放電して強い電流が流れます。そこでこれを防ぐために、少しづつ放電させることが静電気対策になります。キーワードは「水」です。
水はとても電気を通しやすい物質ですので、湿度が高ければ静電気は絶えず放電されます。
室内や自動車内の湿度を上げる工夫や、おしぼりで手を濡らすことによって静電気はかなり防げます。

水の性質と、帯電しやすい繊維の種類を覚えておいてください。

(H17.3.3)