郵政民営化でどうなる?

郵政民営化のメリットデメリット、さらには議論の内容も、国民には今ひとつわかりづらく、各種世論調査などでも高い関心を得ているとは言えません。
民営化の論点は?
民営化したらどのような変化があるのでしょうか。

郵政民営化の議論の焦点となっているのは
(1)ユニバーサルサービス
(2)職員の身分
(3)運営方法
の三つです。それぞれの論点について政府と自民党内でも見方がわかれ、なかなかまとまらず、結局は折衷案の中途半端な改革になるのではないかという懸念もあります。

(1)のユニバーサルサービスとは、「全国一律サービス」と訳されます
現在、郵便、貯金、保険の郵政3事業は全国一律サービスが義務付けられていて、全国各地の市町村に必ず一箇所以上、郵便局が設置されています。
民営化の考え方では、この全国一律サービスの義務付けを、郵便のみとし、貯金、保険については民間と同じく、合理化をしても良いという方向に向かわせるとしています。
実際、民間の金融機関もほぼ全国市町村に進出しており、さらにはインターネットの普及により、ネット上の取引も容易になっています。
ただ、自民党は「それでは過疎地のお年寄りなどが不便な思いをする」との理由で郵便だけでなく貯金、保険事業についてもユニバーサルサービスを主張しています。

(2)は、今後郵便局の職員の身分をどうするか、という問題です。
現在、全国の普通郵便局、特定郵便局の職員の身分は国家公務員です。委託によって運営されている簡易郵便局の場合、いわばアウトソーシングなので、職員は公務員ではありません。
民営化の狙いのひとつに、職員の身分を民間人とすることで、国家公務員数の削減を図ることがあります。
ただ、ここでも自民党は、「公共の業務があるし、被災地でのサービスなど公務員にしかできないことがある」と、反対しています。

(3)は会社形態の話です。
政府の考え方では郵政公社を4つの会社に分社化する計画です。
郵便会社、貯金会社、保険会社、窓口ネットワーク会社と事業ごとに4つに分けます。
その理由は、将来的には全国一律サービスを継続する郵便会社と、完全民営となる貯金、保険会社では経営のスタイルが変わる、という点です。
郵便会社の赤字を他の会社にカバーさせれば、民間としての経営に負担を与えます。
逆に保険や貯金で失敗した場合、全国一律サービスを行う郵便会社に影響が出ると困ります。
窓口ネットワーク会社は、現在ある郵便局舎というインフラを引き継ぐ会社として設立します。
3事業のどれか一分野に引き継がせると、巨大化しすぎるためです。
各事業会社は窓口ネットワーク会社に委託料を払って窓口業務を任せるとともに、窓口ネットワーク会社では、コンビニの機能や、他の金融機関から業務委託をうけることもできます。
これについても、やはり、ユニバーサルサービスを前提とする自民党は、完全な分社化に対して否定的な見解をもっています。

自民党が反対する理由には、選挙があります。
特定郵便局長は、世襲制が多く、自民党の大きな支持基盤です。
そのためこの人たちの利害を守ろう、という考えを持つ議員が中心となり、民営化に反対しています。
こうやって党内で分裂されると、何を支持してよいかわからなくなりそうです。
通常、小泉さん支持ではない私も、こればかりはどうも民営化する方が利にかなっているように感じます。

焦点が「社保庁民営化」論議だったら、多くの国民が大変興味を持ち、賛成多数で民営化が実現することでしょう。

(H17.2.21)